Chrome開発者ツールで学ぶCookie・セッション管理入門

ウェブアプリケーションの開発において、Cookie・セッション管理の理解は基本中の基本です。本記事では、Chrome開発者ツールを活用して、これらの重要な要素を効率的に確認・管理する方法をご紹介します。

Cookie基礎知識

ブラウザのCookieは、ウェブアプリケーションにとって不可欠なデータ保存メカニズムです。ユーザー体験を向上させる多くの機能(ログイン状態の維持、サイト設定の記憶など)の基盤となっています。

ブラウザ Cookie保存領域 user_id: ABC123 login_status: true theme: dark session_id: xyz789 language: ja Webサーバー セッション管理 ユーザー情報 カート内容 閲覧履歴 認証状態 リクエスト時にCookieを送信 レスポンスでCookieを設定 主な用途 ・ユーザー認証 ・個人設定の保存 ・行動追跡

Cookieの主な活用シーン

  • ユーザー認証情報の保持
  • カスタマイズ設定の記録
  • アクセス解析とユーザー行動の追跡
  • ショッピングカートの管理

開発者ツールでのCookie確認方法(chrome)

Google Chromeの開発者ツールを使ってCookieとセッションの情報を確認する方法を説明します。

Chrome開発者ツールを起動

  • キーボードショートカット:F12
  • または画面を右クリックして「検証」を選択

Applicationタブへの移動

  • 上部メニューバーから「Application」を選択
  • 左側メニューから「Storage」→「Cookies」へ進む

Cookie詳細情報の見方

開発者ツールで確認できる主要な情報:

  • セキュリティ設定(HttpOnly, Secure)
  • Cookie名称と保存値
  • 有効範囲(Domain)
  • 有効期限情報
  • サイズ制限

セッション管理の実践

開発者ツールでのセッション確認

Cookiesセクションでの確認

  • PHPSESSIDを探す
  • セッションIDの値を確認
ブラウザ Cookie PHPSESSID: abc123xyz PHPサーバー セッションファイル /tmp/sess_abc123xyz user_id = 12345 login_time = 2024-03-28… cart = [商品A, 商品B, …] last_access = … リクエスト時にPHPSESSIDを送信 PHPSESSIDとは? • PHPがセッションを管理するために使用する一意のID • ブラウザのCookieに保存される • このIDを使ってサーバー上のセッションファイルを特定 • セッションファイルには実際のユーザーデータが保存される

「Network」タブで確認

  1. 開発者ツールの「Network」タブを開きます。
  2. ページをリロードします。
  3. リクエストの一覧から任意のものをクリックします。「Headers」セクションで、「Request Headers」の中の「Cookie」を確認できます。「Response Headers」の中の「Set-Cookie」でサーバーからのCookie設定を確認できます。

コンソールを使用したCookie操作

  1. 開発者ツールの「Console」タブを開きます。
  2. JavaScriptコンソールでは以下のような操作が可能:
// 現在のCookieを表示
console.log(document.cookie);

// Cookie値の取得
function getCookie(name) {
    const value = `; ${document.cookie}`;
    const parts = value.split(`; ${name}=`);
    if (parts.length === 2) return parts.pop().split(';').shift();
}