開発環境構築の手順で「cacert.pemをダウンロードしてください」という指示を見たことはありませんか?この記事では、curl用証明書について分かりやすく解説します。
cacert.pemの役割
cacert.pemは、curlコマンドでHTTPS通信する際に使用する「信頼できる証明書のリスト」です。
HTTPS接続では暗号化だけでなく、接続先が本物のサーバーかどうかを確認する必要があります。
cacert.pemには世界中の信頼できる認証局の証明書が含まれており、curlはこのファイルを使って接続先の安全性を判断しています。
どこに必要なのか
重要なポイントは、cacert.pemは接続先のサーバーではなく、curlを実行する側(自分のPC)に必要だということです。自分のPCでcurlコマンドを実行してHTTPSサイトに接続する時、PC側にcacert.pemがないとエラーになることがあります。
開発環境構築で必要になる理由
通常、curlはシステムにインストール済みの証明書を自動で使用します。しかし、以下のような環境では手動で証明書を配置する必要があります。
Windowsでの開発
Windows 10以降には標準でcurlコマンドがインストールされていますが、デフォルトでCA証明書が不足していることがあります。そのため、cacert.pemを手動でダウンロードして配置する手順が必要になります。
Docker/コンテナ環境
軽量なDockerイメージには証明書が含まれていない場合があり、cacert.pemを追加する必要があります。
プロキシ環境下
企業のプロキシを経由する場合、独自の証明書が必要になることがあります。社内の証明書をcacert.pemとして配置することで、プロキシ経由でのHTTPS通信が可能になります。
基本的な使い方
curlで証明書を明示的に指定する場合は、以下のようにコマンドを実行します。
curl --cacert cacert.pem https://example.com
ただし、多くの場合は環境変数や設定ファイルで証明書の場所を指定するため、毎回オプションを付ける必要はありません。
まとめ
cacert.pemは、curlでHTTPS通信を行う際に接続先の安全性を確認するために必要なファイルです。自分のPC側に配置する必要があり、特にWindowsやDocker環境では手動での設定が必要になることがあります。開発環境構築手順にcacert.pemの配置が含まれている場合は、この証明書ファイルを指定の場所に配置することで、安全にHTTPS通信ができるようになります。